利用できる福祉サービスにはどんなものがある?(聴覚障害)
「聴覚障害があると利用できる福祉サービスはありますか?」
「どこへ相談すればよいのでしょうか。」
聴覚障害がある方は、聞こえにくさによって日常生活や仕事、学校生活などで困ることがあります。
そのような困りごとを支えるために、日本にはさまざまな福祉サービスが用意されています。
ただし、利用できるサービスは障害の程度や年齢、身体障害者手帳の有無、お住まいの自治体などによって異なります。
この記事では、聴覚障害のある方が利用できる主な福祉サービスについて、言語聴覚士がわかりやすく解説します。
福祉サービスとは?
福祉サービスとは、障害のある方が安心して生活し、社会参加しやすくするための支援制度です。
障害者総合支援法に基づくサービスのほか、自治体独自の支援制度もあります。
補聴器や人工内耳に関する支援
聞こえを支えるための制度として、次のようなものがあります。
- 補装具費支給制度(補聴器など)
- 人工内耳に関する公的医療制度
- 自立支援医療制度
- 自治体独自の補助制度
これらを利用することで、医療費や機器購入・修理の負担を軽減できる場合があります。
相談支援サービス
「どの制度を利用できるのか分からない」という方のために、相談支援を受けることができます。
例えば、
- 障害福祉課
- 基幹相談支援センター
- 相談支援事業所
などでは、
生活上の困りごとや利用できる制度について相談できます。
コミュニケーション支援
聞こえにくさによって会話が難しい場合には、コミュニケーションを支えるサービスがあります。
例えば、
- 手話通訳者の派遣
- 要約筆記
- 筆談支援
- 遠隔手話通訳
などです。
病院や行政手続き、講演会などで利用できる場合があります。
利用方法は自治体によって異なります。
就労支援
仕事に関する支援も充実しています。
例えば、
- ハローワークの専門窓口
- 障害者就業・生活支援センター
- 就労移行支援
- 就労継続支援
などがあります。
就職活動だけでなく、職場へ定着するための支援も受けられます。
日常生活を支えるサービス
生活上の困りごとに対しては、次のような支援があります。
- 日常生活用具の給付
- 移動支援
- 居宅介護(ホームヘルプ)
- 短期入所(ショートステイ)
利用できるサービスは、障害の状況や自治体によって異なります。
税金や公共料金の優遇
身体障害者手帳を持っている方は、次のような優遇制度を利用できる場合があります。
- 所得税・住民税の控除
- 自動車税などの減免
- 公共交通機関の割引
- NHK受信料の免除・減免(条件あり)
内容は自治体や事業者によって異なるため、事前に確認しましょう。
教育・子育てに関する支援
子どもの場合は、教育面での支援も受けられます。
例えば、
- 特別支援教育
- 通級による指導
- 補聴援助システムの利用
- 教育相談
などがあります。
学校や教育委員会と相談しながら、一人ひとりに合った支援を受けることができます。
福祉サービスを利用するには?
福祉サービスを利用する場合は、まず市区町村の障害福祉担当窓口へ相談しましょう。
必要に応じて、
- 身体障害者手帳
- 医師の診断書
- 各種申請書類
などが必要になります。
サービスによっては、申請前に利用できないものもあるため、事前に確認することが大切です。
言語聴覚士ができる支援
言語聴覚士(ST)は、聞こえによる困りごとを評価し、補聴器や人工内耳の活用方法、日常生活でのコミュニケーションについて助言します。
また、必要に応じて利用できる福祉制度を紹介し、耳鼻咽喉科や相談支援専門員、自治体などと連携しながら支援を進めます。
一人で抱え込まず相談しよう
「制度が複雑で分からない」「自分が対象になるか分からない」という方は少なくありません。
しかし、福祉サービスを利用することで、生活や仕事、学校生活が大きく改善することもあります。
まずは自治体の障害福祉窓口や相談支援事業所へ相談し、自分に利用できる制度を確認してみましょう。
まとめ
聴覚障害のある方は、補聴器や人工内耳に関する支援、相談支援、コミュニケーション支援、就労支援、日常生活支援、税制上の優遇など、さまざまな福祉サービスを利用できる場合があります。
利用できる制度は障害の程度や自治体によって異なります。
制度を上手に活用することで、聞こえにくさによる困りごとを減らし、安心して生活しやすくなります。
気になる方は、市区町村の障害福祉窓口や耳鼻咽喉科、相談支援事業所へ相談してみましょう。

