オンライン会議やビデオ通話で困らない工夫

「オンライン会議になると話についていけません。」
「ビデオ通話では相手の声が聞き取りにくく、何度も聞き返してしまいます。」

近年、仕事や学校だけでなく、家族や友人との連絡でもオンライン会議やビデオ通話を利用する機会が増えています。

しかし、聴覚障害のある方にとっては、対面での会話とは異なる難しさがあります。

一方で、オンラインならではの便利な機能を活用することで、聞き取りやすくなることも少なくありません。

この記事では、オンライン会議やビデオ通話で困らないための工夫について、言語聴覚士がわかりやすく解説します。


なぜオンラインでは聞き取りにくいの?

オンライン会議では、

  • 通信環境による音の途切れ
  • マイクの性能の違い
  • 複数人が同時に話す
  • 周囲の雑音

などが重なり、対面より聞き取りにくくなることがあります。

また、画面が小さいと口元や表情が見えにくく、読話(口の動きを見て言葉を理解すること)の手掛かりが少なくなる場合もあります。


できるだけ静かな場所で参加する

まず大切なのは、自分の周囲の環境を整えることです。

例えば、

  • テレビを消す
  • 窓を閉める
  • 人の少ない部屋を選ぶ
  • エアコンや扇風機の風切り音を減らす

など、周囲の雑音を少なくすると、相手の声に集中しやすくなります。


ヘッドホンやイヤホンを活用する

スピーカーから音を流すよりも、ヘッドホンやイヤホンを使う方が聞き取りやすい場合があります。

また、補聴器や人工内耳を使用している方は、Bluetooth機能を利用してパソコンやスマートフォンと接続できる機種もあります。

音声が直接補聴器や人工内耳へ届くことで、聞き取りやすくなることがあります。


字幕機能を活用する

最近では、ZoomやMicrosoft Teams、Google Meetなど、多くのオンライン会議サービスに自動字幕機能が搭載されています。

聞き取りにくかった言葉も、字幕を参考にすることで内容を理解しやすくなります。

音声認識には誤変換もありますが、会話を理解する手掛かりとして役立つことが少なくありません。


画面はできるだけ大きく表示する

スマートフォンよりも、タブレットやパソコンの方が、相手の表情や口元が見えやすくなります。

また、画面表示を「話している人を大きく表示する」設定にすると、読話を活用しやすくなる場合があります。


一人ずつ話してもらう

複数人が同時に話すと、誰が話しているのか分かりにくくなります。

会議では、「一人ずつ話す」「発言するときは名前を呼ぶ」などのルールを共有すると、聞き取りやすくなります。


聞き返すことを遠慮しない

オンラインでは、通信状況によって聞こえにくくなることもあります。

そのため、「通信が少し途切れたので、もう一度お願いします。」「最後の部分だけもう一度教えてください。」と確認することは、ごく自然なことです。

聞き返すことを遠慮し過ぎないようにしましょう。


資料やチャットを活用する

会議では、音声だけに頼る必要はありません。

例えば、

  • 資料を画面共有する
  • チャットへ重要な内容を書く
  • 日時や数字は文字でも共有する

など、文字による情報を組み合わせることで理解しやすくなります。


周囲へ聞こえにくさを伝えておく

仕事や学校でオンライン会議に参加する場合は、あらかじめ聞こえにくさについて伝えておくことも大切です。

例えば、

  • 少しゆっくり話してもらう
  • 字幕機能を利用する
  • 一人ずつ発言してもらう

など、事前にお願いしておくことで、安心して参加しやすくなります。


言語聴覚士に相談しよう

オンラインでのコミュニケーションに困っている場合は、言語聴覚士(ST)へ相談することもおすすめです。

聞こえの状態や生活環境に合わせて、

  • 補聴器や人工内耳の活用方法
  • オンライン会議での工夫
  • 利用できる支援機器やサービス

などについてアドバイスを受けることができます。


オンラインだからこそのメリットもある

オンライン会議は難しい面もありますが、便利な機能も多くあります。

例えば、

  • 字幕機能を利用できる
  • チャットで質問できる
  • 資料を画面で確認できる
  • 自宅など聞きやすい環境から参加できる

といったメリットがあります。

これらを上手に活用することで、対面よりも参加しやすいと感じる方もいます。


まとめ

オンライン会議やビデオ通話では、通信環境や複数人での会話などが影響し、聞き取りにくくなることがあります。

しかし、静かな環境を整えることや、ヘッドホン・補聴器・人工内耳のBluetooth機能、自動字幕、チャット機能などを活用することで、負担を軽減できる場合があります。

オンラインだから難しいとあきらめるのではなく、自分に合った工夫を取り入れながら、安心してコミュニケーションを楽しんでいきましょう。

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