CT・MRI検査が必要になるのはどんなとき?(聴覚障害)
「難聴の検査でCTやMRIを勧められました。」
「聴力検査だけでは分からないことがあるのでしょうか?」
聞こえにくさを調べるときは、まず聴力検査が行われます。しかし、症状や検査結果によっては、CT検査やMRI検査が必要になることがあります。
これらの検査は、耳や脳の状態を画像で詳しく調べるためのものです。
「大きな病気ではないか」と不安になる方もいますが、原因を正確に調べ、適切な治療につなげるために行われる検査です。
この記事では、CT・MRI検査が必要になる場面や、それぞれの違いについて、言語聴覚士がわかりやすく解説します。
なぜ画像検査が必要なの?
聴力検査では、
- どのくらい聞こえているか
- 難聴の程度
- 難聴の種類
などを調べることができます。
しかし、「なぜ難聴になったのか」という原因までは分からないことがあります。
そこで、耳や脳の内部を詳しく調べるために、CTやMRIが行われます。
CT検査とは?
CT検査は、X線を使って体の断面を撮影する検査です。
耳の周囲の骨や中耳の状態を詳しく調べるのが得意です。
例えば、
- 中耳炎による骨の変化
- 耳小骨の異常
- 耳の骨折
- 生まれつきの耳の形の異常
などを確認することができます。
検査時間は比較的短く、数分から十数分程度で終わることが多いです。
MRI検査とは?
MRI検査は、強い磁石と電波を使って体の内部を撮影する検査です。
骨よりも、
- 聴神経
- 脳
- 内耳
などの軟らかい組織を詳しく調べることができます。
そのため、神経や脳に原因がある難聴を調べる際によく行われます。
CT検査が行われることが多いケース
CT検査が検討される代表的な例には、
- 慢性中耳炎
- 真珠腫性中耳炎
- 耳硬化症
- 耳の外傷
- 生まれつき耳の形に異常が疑われる場合
などがあります。
特に手術を予定している場合には、耳の骨の構造を詳しく確認するためにCT検査が行われることがあります。
MRI検査が行われることが多いケース
MRI検査は、次のような場合によく行われます。
片耳だけの難聴
左右で聞こえ方に大きな差がある場合には、聴神経の病気などが隠れていないかを確認するためにMRIを行うことがあります。
突発性難聴
突発性難聴では、診断や治療を進める中で、ほかの病気が原因ではないかを調べるためにMRIが行われることがあります。
めまいを伴う難聴
難聴に加えて、
- 強いめまい
- ふらつき
がある場合には、内耳や脳に異常がないかを詳しく調べます。
聴神経腫瘍が疑われる場合
まれではありますが、聴神経腫瘍(前庭神経鞘腫)という病気が原因で難聴になることがあります。
この病気はMRIで詳しく調べることができます。
CTとMRIの違い
それぞれの特徴をまとめると、次のようになります。
| CT検査 | MRI検査 |
|---|---|
| X線を使う | 磁石と電波を使う |
| 骨の状態を詳しく調べる | 神経や内耳、脳を詳しく調べる |
| 検査時間が比較的短い | 検査時間は20〜40分程度かかることが多い |
| 耳小骨や中耳の病気に適している | 聴神経や脳の病気に適している |
どちらが良いというわけではなく、疑われる病気によって使い分けられます。
MRI検査を受けられない場合もある
MRIは強い磁石を使うため、
- 心臓ペースメーカーなど一部の医療機器を使用している方
- 体内に磁石の影響を受ける金属がある方
では受けられない場合があります。
また、狭い場所が苦手な方は、不安を感じることもあります。
心配なことがあれば、事前に医師へ相談しましょう。
画像検査が必要と言われても過度に心配しなくてよい
CTやMRIを勧められると、「重大な病気なのでは?」と不安になる方もいます。
しかし、多くの場合は、原因を詳しく確認し、より適切な治療方針を決めるために行われます。
画像検査を受けたからといって、必ず重大な病気が見つかるわけではありません。
必要以上に心配せず、医師の説明を聞きながら検査を受けることが大切です。
まとめ
CT検査とMRI検査は、聴力検査だけでは分からない難聴の原因を詳しく調べるために行われます。
CTは耳の骨や中耳の状態を、MRIは内耳や聴神経、脳の状態を詳しく確認するのが得意な検査です。
すべての方に必要なわけではありませんが、片耳だけの難聴やめまいを伴う場合、手術を検討する場合などには重要な役割を果たします。
画像検査は、より正確な診断と適切な治療につなげるための大切な検査です。医師から勧められた場合は、不安なことを相談しながら安心して受けましょう。

