語音聴力検査とは?純音聴力検査との違い
「聴力検査では異常がないと言われたのに、言葉が聞き取りにくいです。」
「純音聴力検査と語音聴力検査は何が違うのでしょうか?」
耳鼻咽喉科では、聞こえの状態を調べるためにさまざまな検査が行われます。
その中でも代表的なのが、純音聴力検査と語音聴力検査です。
どちらも聞こえを調べる検査ですが、調べている内容は異なります。
純音聴力検査は「音が聞こえるか」を調べる検査、語音聴力検査は「言葉をどれくらい正しく聞き取れるか」を調べる検査です。
この記事では、語音聴力検査の目的や純音聴力検査との違いについて、言語聴覚士がわかりやすく解説します。
純音聴力検査とは?
純音聴力検査は、
どのくらい小さな音まで聞こえるかを調べる検査です。
ヘッドホンやイヤホンから、
「ピー」という音が流れ、その音が聞こえたらボタンを押したり手を挙げたりします。
低い音から高い音まで、さまざまな高さと大きさの音を聞き、「聞こえる最も小さな音(聴力レベル)」を測定します。
この結果は、オージオグラムというグラフにまとめられ、難聴の種類や程度を判断するために使われます。
語音聴力検査とは?
語音聴力検査は、言葉をどれくらい正しく聞き取れるかを調べる検査です。
検査では、
「いぬ」
「さくら」
「た」
などの言葉や音声が流れ、それを復唱したり、聞こえた内容を答えたりします。
つまり、音が聞こえるかではなく、「何と言っているかが分かるか」を調べる検査です。
なぜ語音聴力検査が必要なの?
私たちは会話をするとき、単に音が聞こえるだけでは十分ではありません。
例えば、
相手が「今日は病院へ行きます。」と言ったとき、
音が耳に届いても、言葉として理解できなければ会話は成立しません。
そのため、語音聴力検査では、実際のコミュニケーションに近い能力を調べることができます。
純音聴力検査との違い
2つの検査の違いをまとめると、次のようになります。
| 純音聴力検査 | 語音聴力検査 |
|---|---|
| 音が聞こえるかを調べる | 言葉を正しく聞き取れるかを調べる |
| 「ピー」という音を聞く | 言葉や音声を聞く |
| 聴力レベルが分かる | 言葉の聞き取り能力が分かる |
| 難聴の程度を調べる | 日常会話への影響を評価できる |
このように、それぞれ役割が異なるため、両方の検査を行うことで、聞こえの状態をより詳しく知ることができます。
「聞こえる」と「理解できる」は違う
例えば純音聴力検査では比較的良い結果でも、語音聴力検査では正答率が低いことがあります。
これは、音は聞こえていても、言葉として聞き分ける力が低下していることを意味します。
特に、
- 加齢性難聴
- 感音難聴
では、このような特徴がよくみられます。
「聞こえているのに何と言っているか分からない」という困りごとは、この検査で確認できることがあります。
補聴器の調整にも役立つ
語音聴力検査は、補聴器の効果を確認するときにも重要です。
補聴器を装用した状態で検査を行うことで、
- 言葉の聞き取りが改善しているか
- 補聴器の調整が適切か
などを確認できます。
「音が大きく聞こえる」だけでなく、「会話がしやすくなったか」を評価できるため、補聴器を使用する方には欠かせない検査の一つです。
検査は痛いの?
語音聴力検査は、ヘッドホンやイヤホンから流れる言葉を聞いて答えるだけの検査です。
痛みはなく、特別な準備も必要ありません。
普段通りの状態で受けることができます。
言語聴覚士も大切にしている検査
言語聴覚士は、聞こえによるコミュニケーションの困りごとを支援しています。
そのため、「音が聞こえるか」だけでなく、「言葉を理解できるか」という語音聴力検査の結果をとても重要な情報として活用しています。
検査結果をもとに、
- 補聴器の活用方法
- 聞き取りやすい環境づくり
- コミュニケーションの工夫
などを提案しています。
まとめ
純音聴力検査と語音聴力検査は、どちらも聞こえを調べる検査ですが、目的が異なります。
純音聴力検査は「音が聞こえるか」を調べ、語音聴力検査は「言葉をどれくらい正しく理解できるか」を調べます。
この2つの検査を組み合わせることで、難聴の種類や程度だけでなく、日常生活での聞き取りの困りごとも把握しやすくなります。
聞こえにくさや言葉の聞き取りに不安がある場合は、耳鼻咽喉科で適切な検査を受け、自分の聞こえの状態を知ることが大切です。

