聴覚障害とは?わかりやすく解説
「最近、人の話が聞き取りにくくなった」
「子どもが名前を呼んでも振り向かない」
「健康診断で難聴を指摘された」
このような経験から、「聴覚障害」という言葉を初めて知った方も多いのではないでしょうか。
聴覚障害とは、音が聞こえにくくなったり、聞こえなくなったりする状態をいいます。しかし、一口に聴覚障害といっても、その原因や程度、聞こえ方は人それぞれ異なります。
この記事では、言語聴覚士の立場から、聴覚障害とはどのような状態なのかをわかりやすく解説します。
聴覚障害とは
聴覚障害とは、耳や聴覚の働きに何らかの問題が生じ、音を十分に聞き取ることが難しくなった状態です。
聞こえにくさは人によってさまざまで、
- 小さな音だけ聞こえにくい
- 大きな音でも聞こえない
- 音は聞こえるが言葉が聞き取りにくい
- 片耳だけ聞こえにくい
- 両耳とも聞こえにくい
など、症状には大きな違いがあります。
また、生まれつき聞こえにくい方もいれば、病気や加齢、事故などが原因で後から聞こえにくくなる方もいます。
「聞こえる」と「理解できる」は違う
聴覚障害では、「音は聞こえているのに会話が分からない」ということがあります。
例えば、レストランで周囲が騒がしいと、
「誰かが話していることは分かるけれど、何と言っているのか聞き取れない」という経験をしたことがある方もいるでしょう。
これは、音は耳に届いていても、言葉として正確に聞き取ることが難しくなっているためです。
特に感音難聴では、このような症状がみられることが少なくありません。
聴覚障害の原因
聴覚障害の原因はさまざまです。
代表的なものには次のようなものがあります。
- 生まれつきの難聴
- 中耳炎など耳の病気
- 突発性難聴
- メニエール病
- 加齢による難聴(加齢性難聴)
- 大きな音による騒音性難聴
- 外傷や薬の副作用 など
原因によって治療方法や経過は異なるため、正確な診断を受けることが大切です。
聴覚障害にはさまざまな種類がある
聴覚障害は、大きく分けると次の3つに分類されます。
伝音難聴
外耳や中耳に問題があり、音が内耳まで十分に伝わらない状態です。
耳垢が詰まっていたり、中耳炎が原因になったりすることがあります。
感音難聴
内耳や聴神経に障害があり、音を感じ取る働きが低下している状態です。
加齢性難聴や突発性難聴などが代表的です。
混合性難聴
伝音難聴と感音難聴の両方がみられる状態です。
それぞれの特徴をあわせ持っています。
これらの違いについては、今後の記事で詳しく解説します。
聴覚障害が生活に与える影響
聞こえにくくなると、単に音が聞こえないだけではありません。
例えば、
- 会話についていけない
- テレビの音量が大きくなる
- 電話での会話が難しい
- 学校や仕事で説明が聞き取りにくい
- 周囲とのコミュニケーションが減る
といった困りごとが生じることがあります。
特に子どもでは、聞こえにくさが言葉の発達に影響することもあるため、早期発見と適切な支援が重要です。
聴覚障害は一人で悩まなくて大丈夫
聞こえにくさを感じても、「年齢のせいだから仕方ない」と我慢してしまう方は少なくありません。
しかし、治療によって改善する難聴もありますし、補聴器や人工内耳、リハビリテーションによって生活しやすくなるケースも多くあります。
最近では、言語聴覚士をはじめ、耳鼻咽喉科医や認定補聴器技能者など、さまざまな専門職が連携して支援を行っています。
困ったときは、一人で抱え込まず専門家へ相談することが大切です。
まとめ
聴覚障害とは、音が聞こえにくくなったり、言葉を聞き取りにくくなったりする状態です。
原因や症状は人によって異なり、治療で改善するものもあれば、補聴器や人工内耳、リハビリテーションによって聞こえを支援できる場合もあります。
聞こえにくさを感じたら早めに耳鼻咽喉科を受診し、自分に合った治療や支援を受けることが大切です。

