よだれが増えたのは嚥下障害のサイン?
「最近、よだれが増えた気がします。」
「以前より口からよだれがこぼれるようになりました。」
「これは嚥下障害が関係しているのでしょうか?」
よだれが増えると、「唾液がたくさん出る病気なのでは?」と心配になる方もいます。
しかし実際には、よだれが増えたように見える原因は、唾液の量が増えたことではなく、うまく飲み込めなくなっていることが少なくありません。
特に高齢者や脳卒中、パーキンソン病などでは、嚥下障害のサインとしてよだれが目立つようになることがあります。
この記事では、よだれが増える理由や、嚥下障害との関係についてわかりやすく解説します。
よだれが増えたように見える理由
私たちは普段、気づかないうちに唾液を飲み込んでいます。
健康な人では、1日に約1~1.5リットルの唾液が分泌されるといわれていますが、そのほとんどは自然に飲み込まれています。
そのため、よだれが増えたように見える原因の多くは、「唾液が増えた」のではなく、「唾液を飲み込めなくなった」ことなのです。
嚥下障害があると唾液を飲み込みにくくなる
嚥下障害では、食べ物だけでなく唾液を飲み込む力も低下します。
すると、
- 口の中に唾液がたまる
- 唇からよだれがこぼれる
- 口の周りが濡れやすくなる
などの症状が現れることがあります。
食事中だけでなく、安静にしているときにもよだれが気になる場合は、嚥下機能が低下している可能性があります。
パーキンソン病ではよくみられる症状
パーキンソン病では、よだれが増えたと感じる方が多くいます。
これは、唾液が多く作られているわけではなく、飲み込む回数が減ることが主な原因です。
パーキンソン病では、
- 飲み込みの回数が減る
- 口や舌の動きが小さくなる
- 姿勢が前かがみになる
などが重なり、よだれが口からこぼれやすくなります。
脳卒中や認知症でも起こる
脳卒中では、顔や口の筋肉に麻痺が起こることで、口をしっかり閉じられなくなることがあります。
また、舌やのどの動きが低下すると、唾液を飲み込むことが難しくなります。
認知症では、飲み込むこと自体を忘れたり、飲み込むタイミングが減ったりすることで、よだれが目立つことがあります。
よだれが増える原因は嚥下障害だけではない
よだれが増える原因には、嚥下障害以外のものもあります。
例えば、
- 口の中の炎症
- 入れ歯が合わない
- 妊娠
- 一部の薬の副作用
などでも、一時的によだれが増えることがあります。
そのため、症状が続く場合は原因を確認することが大切です。
よだれが増えるとどんな問題がある?
よだれが多い状態が続くと、
- 衣服が濡れる
- 皮膚がかぶれる
- 人前で気になって外出しにくくなる
といった生活上の困りごとが生じます。
また、唾液を飲み込めずに気管へ流れ込むと、誤嚥や誤嚥性肺炎の原因になることもあります。
特に、夜間に唾液を誤嚥することもあるため注意が必要です。
このような症状があれば受診を
次のような症状がある場合は、一度医療機関へ相談しましょう。
- よだれが急に増えた
- よだれが口からこぼれる
- 食事中によくむせる
- 水分で咳き込む
- 食後に声がガラガラになる
- 発熱を繰り返す
これらは嚥下障害が関係している可能性があります。
どのような検査をするの?
医療機関では、
- 口や舌の動き
- 唾液の飲み込み
- 食事の様子
などを確認します。
必要に応じて、
- 嚥下内視鏡検査(VE)
- 嚥下造影検査(VF)
を行い、唾液の誤嚥が起きていないかも評価します。
まとめ
よだれが増えたように感じる原因の多くは、唾液が増えたことではなく、唾液を飲み込む力が低下していることです。
特に、
- パーキンソン病
- 脳卒中
- 認知症
- 嚥下障害
では、よだれが目立つことがあります。
また、唾液の誤嚥は誤嚥性肺炎につながることもあるため、「よだれが多いだけ」と軽く考えず、食事中のむせや声の変化などもあわせて確認することが大切です。
気になる症状が続く場合は、早めに医療機関で飲み込みの評価を受けましょう。

