嚥下障害は予防できる?
「年齢を重ねると嚥下障害は避けられないのでしょうか?」
「飲み込みが悪くならないように予防する方法はありますか?」
「家族にもできることを知りたいです。」
このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、すべての嚥下障害を予防できるわけではありませんが、発症のリスクを減らしたり、進行を遅らせたりできる可能性はあります。
特に加齢による機能の低下や、病気の後に起こる機能低下に対しては、日頃の生活習慣や口腔ケア、適度な運動などが大切です。
この記事では、嚥下障害を予防するために今日から実践できることをご紹介します。
すべての嚥下障害を防げるわけではない
まず知っておきたいのは、嚥下障害にはさまざまな原因があるということです。
例えば、
- 脳卒中
- パーキンソン病
- 頭頸部がん
- 神経筋疾患
などは、自分では予防できない場合もあります。
しかし、飲み込みに必要な筋力を保ったり、誤嚥性肺炎を防いだりするためにできることはたくさんあります。
よく噛んで食べる
食事中によく噛むことは、飲み込みの機能を維持するための基本です。
よく噛むことで、
- あごや舌の筋肉を使う
- 唾液がたくさん出る
- 食べ物を飲み込みやすい形にまとめられる
といった効果が期待できます。
急いで食べるよりも、一口ずつゆっくり味わって食べることを心がけましょう。
口腔ケアを続ける
歯磨きや入れ歯の手入れなどの口腔ケアは、誤嚥性肺炎の予防にとても重要です。
口の中が汚れていると、誤嚥した際に細菌も一緒に肺へ入り、肺炎を起こしやすくなります。
毎日の歯磨きに加えて、
- 舌の清掃
- 入れ歯の洗浄
- 定期的な歯科受診
も大切です。
適度に体を動かす
飲み込みに必要な筋肉は、全身の筋肉とも深く関係しています。
運動不足になると体力や筋力が低下し、飲み込みの力も弱くなりやすくなります。
ウォーキングや体操など、無理のない範囲で体を動かすことを習慣にしましょう。
栄養と水分をしっかり摂る
筋肉を維持するためには、十分な栄養が欠かせません。
また、水分不足になると、
- 唾液が減る
- 口の中が乾燥する
- 食べ物を飲み込みにくくなる
ことがあります。
特に高齢者は脱水になりやすいため、こまめな水分補給を心がけましょう。
会話や声を出す機会を増やす
話したり笑ったり歌ったりすることも、口やのどの筋肉を動かす機会になります。
家族や友人との会話を楽しむことは、飲み込みの機能を維持するだけでなく、生活の質の向上にもつながります。
「人と話すこと」も、健康づくりの一つと考えてよいでしょう。
嚥下体操を取り入れる
飲み込みに関わる筋肉を動かす「嚥下体操」を行うこともおすすめです。
例えば、
- 首や肩をゆっくり動かす
- 深呼吸をする
- 頬や舌を動かす
- 発声練習をする
などがあります。
詳しい方法については、別の記事で紹介します。
病気の治療を続けることも予防につながる
高血圧や糖尿病、不整脈などの生活習慣病を適切に治療することは、脳卒中の予防につながります。
脳卒中は嚥下障害の大きな原因の一つであるため、病気をしっかり管理することも、結果として嚥下障害の予防につながると言えます。
気になる症状は早めに相談する
「少しむせるだけだから」と様子を見る方もいますが、
- むせる回数が増えた
- 食事に時間がかかる
- 食後に声がガラガラになる
などの症状が続く場合は、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。
早い段階で対応することで、症状の悪化を防げる場合があります。
まとめ
嚥下障害はすべてを予防できるわけではありませんが、
- よく噛んで食べる
- 口腔ケアを続ける
- 適度に体を動かす
- 栄養と水分をしっかり摂る
- 会話や発声を楽しむ
- 嚥下体操を取り入れる
- 持病を適切に管理する
といった日々の積み重ねが、飲み込みの機能を保つことにつながります。
また、「最近飲み込みにくい」と感じたら、早めに医療機関へ相談することも大切な予防の一つです。
毎日の生活の中でできることを少しずつ続け、安全に「食べる楽しみ」を守っていきましょう。

