嚥下障害になりやすい人とは?
「嚥下障害は高齢者だけがなるもの?」
「家族が脳卒中になったけれど、飲み込みは大丈夫だろうか?」
「自分も将来、嚥下障害になる可能性はあるの?」
嚥下障害は誰にでも起こる可能性がありますが、特に発症しやすい人や注意が必要な人がいます。
ただし、「リスクが高い=必ず嚥下障害になる」というわけではありません。
早めに気づき、適切な対応を行うことで、安全に食事を続けられる方も多くいます。
この記事では、嚥下障害になりやすい人の特徴についてわかりやすく解説します。
嚥下障害は高齢者だけの病気ではない
嚥下障害というと、高齢者を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし実際には、
- 脳卒中
- 神経の病気
- 頭頸部がん
- 外傷
- 生まれつきの病気
など、年齢に関係なくさまざまな原因で起こります。
一方で、高齢になるほど複数の要因が重なりやすくなるため、発症する人は増えていきます。
脳卒中になった人
嚥下障害の原因として最も多いものの一つが脳卒中です。
脳卒中では、飲み込みをコントロールする脳の働きが障害されるため、
- むせる
- 飲み込みに時間がかかる
- 誤嚥しやすい
などの症状が現れることがあります。
脳卒中後には症状が目立たなくても、専門的な検査では嚥下障害が見つかることもあるため、
早い段階で評価を受けることが重要です。
神経の病気がある人
次のような神経の病気では、飲み込みに必要な筋肉が徐々に動かしにくくなることがあります。
- パーキンソン病
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
- 重症筋無力症
- 多系統萎縮症
病気によって進行の仕方は異なりますが、早期から飲み込みの変化が現れることもあるため、
定期的な評価が勧められます。
高齢者
年齢を重ねると、
- 筋力が低下する
- 唾液が減る
- 飲み込み反射が遅くなる
- 食欲が低下する
など、飲み込みに影響する変化が少しずつ起こります。
また、高齢者は複数の病気を抱えていることも多く、それらが重なって嚥下障害を発症することがあります。
ただし、健康な高齢者であれば、大きな問題なく食事ができる方も多くいます。
頭頸部がんの治療を受けた人
舌やのど、喉頭などのがんでは、手術や放射線治療によって飲み込みの機能が変化することがあります。
治療後は、
- 舌が動かしにくい
- のどに食べ物が残る
- 飲み込むまでに時間がかかる
などの症状がみられることがあります。
治療前から言語聴覚士が関わり、リハビリを開始することも少なくありません。
長期間入院している人
長期間ベッドで過ごすと、全身の筋力が低下します。
飲み込みに必要な筋肉も例外ではなく、
- 食べる力
- 飲み込む力
- 咳をする力
などが弱くなることがあります。
特に肺炎や骨折などで長期間入院した高齢者では、退院後に食べづらさが目立つことがあります。
低栄養や脱水がある人
十分な栄養や水分が摂れない状態が続くと、全身の筋肉が衰えます。
その結果、飲み込みに必要な筋肉も弱くなり、嚥下障害が起こりやすくなります。
また、口の中が乾燥すると食べ物をまとめにくくなり、飲み込みづらさにつながることもあります。
認知症がある人
認知症では、飲み込みそのものだけでなく、食事の行動にも影響が出ることがあります。
例えば、
- 食べ物と認識できない
- 食べることを忘れてしまう
- 飲み込むタイミングが分かりにくい
などの症状がみられることがあります。
認知症が進行すると、嚥下障害を合併する方も少なくありません。
このような症状がある人は注意
次のような症状が続く場合は、嚥下障害が隠れている可能性があります。
- 食事中によくむせる
- 水分で咳き込む
- 食事に時間がかかる
- 声がガラガラになる
- 食後に痰が増える
- 原因不明の発熱を繰り返す
- 体重が減ってきた
気になる症状がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
リスクがあっても予防できることは多い
嚥下障害になりやすい人でも、
- 口腔ケアを続ける
- 栄養状態を保つ
- 適度に体を動かす
- 嚥下体操を行う
- 定期的に飲み込みを評価する
などの取り組みによって、機能の維持や誤嚥性肺炎の予防につながることがあります。
「リスクがあるから仕方ない」と諦める必要はありません。
まとめ
嚥下障害になりやすい人には、
- 脳卒中になった人
- 神経の病気がある人
- 高齢者
- 頭頸部がんの治療を受けた人
- 長期間入院している人
- 低栄養や脱水がある人
- 認知症がある人
などが挙げられます。
ただし、リスクが高くても必ず嚥下障害になるわけではありません。
大切なのは、早めに異変に気づき、適切な評価やリハビリ、食事の工夫を行うことです。

