言葉が聞き取りにくくなるのはなぜ?

「何を言っているのか分からないと言われる」
「何度も聞き返されるようになった」
「家族には伝わるのに、初対面の人には伝わらない」

構音障害のある方から、このような悩みをよく耳にします。

ご本人は普段通り話しているつもりでも、周囲には言葉が聞き取りにくく感じられることがあります。

では、なぜ言葉は聞き取りにくくなってしまうのでしょうか。

この記事では、構音障害で言葉が聞き取りにくくなる理由について分かりやすく解説します。

言葉が聞き取りにくいとは?

言葉が聞き取りにくいとは、発音が不明瞭になり、相手が内容を理解しにくい状態です。

例えば、

  • 「もう一度お願いします」
  • 「何と言いましたか?」
  • 「聞こえたけれど分からなかった」

と言われることがあります。

これは耳が悪いわけではなく、発音がはっきり伝わっていないことが原因です。

話すためには多くの器官が必要

私たちは話すときに、

  • あご
  • 軟口蓋(のどの奥)
  • 声帯
  • 呼吸

を同時に使っています。

これらが正確なタイミングで動くことで、はっきりした言葉になります。

構音障害では、この動きがうまくできなくなります。

舌の動きが悪くなる

舌は発音にとても重要な役割を持っています。

例えば、

などの音は舌先を細かく動かして作ります。

舌が思うように動かなくなると、

音が不正確になり、言葉がぼやけて聞こえるようになります。

唇の動きが弱くなる

唇は、

などの音を作るために必要です。

唇をしっかり閉じられなくなると、音の区別がつきにくくなります。

その結果、聞いている人には別の言葉に聞こえることがあります。

声が小さくなる

構音障害の中には、声量が低下するタイプもあります。

特にパーキンソン病では、

  • 声が小さい
  • 抑揚が少ない

という特徴があります。

発音そのものが悪くなくても、声が小さいだけで聞き取りにくくなることがあります。

鼻声になる

軟口蓋(なんこうがい)の動きが弱くなると、

空気が鼻へ漏れやすくなります。

すると、

  • 鼻声になる
  • 音がぼやける

といった症状が現れます。

特に長い会話になると聞き取りにくさが目立つことがあります。

話すスピードも影響する

話すスピードが速すぎたり遅すぎたりすると、聞き取りにくくなることがあります。

例えば、

速すぎる場合

発音が省略される

遅すぎる場合

言葉のつながりが分かりにくい

特にパーキンソン病では、話しているうちに早口になることがあります。

家族には伝わるのに他人には伝わらない理由

構音障害ではよくみられる現象です。

家族は普段から話し方を聞いているため、多少発音が不明瞭でも内容を予測できます。

一方で初対面の人は、予備知識がないため聞き取りにくく感じます。

そのため、「家では大丈夫なのに外では伝わらない」ということが起こります。

病気によって聞き取りにくさは違う

脳卒中

ろれつが回らないことが多い

パーキンソン病

声が小さい

ALS

舌や唇の筋力低下が目立つ

小脳疾患

話し方のリズムが不自然になる

このように原因によって特徴が異なります。

聞き取りやすくする工夫

聞き取りやすさを高めるために、

  • ゆっくり話す
  • 一文を短くする
  • 静かな場所で話す
  • 相手の顔を見る
  • 大きめの声を意識する

といった工夫が役立つことがあります。

また、言語聴覚士によるリハビリも有効です。

家族ができるサポート

聞き取れないときは、「分からないからもういい」ではなく、

「もう一度お願いできますか?」と伝えることが大切です。

ご本人は伝えたい気持ちを持っています。

最後まで話を聞く姿勢が大きな支えになります。

まとめ

構音障害で言葉が聞き取りにくくなるのは、舌や唇、のどなどの動きが低下し、発音が不明瞭になるためです。

また、声が小さくなったり、鼻声になったりすることも聞き取りにくさの原因になります。

原因となる病気によって特徴は異なりますが、リハビリや周囲の理解によってコミュニケーションしやすくなることがあります。聞き取りにくさの背景を理解し、適切な支援につなげることが大切です。

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