構音障害と嚥下障害は関係ある?
「ろれつが回らなくなっただけでなく、むせることも増えた」
「言葉が聞き取りにくくなったあとから食事も大変になった」
「構音障害と嚥下障害は関係があるの?」
脳卒中や神経の病気の後、このような疑問を持つ方は少なくありません。
実は、構音障害と嚥下障害は深い関係があります。
どちらも舌や唇、のどなど同じ器官を使っているため、一方が起こるともう一方もみられることが少なくありません。
この記事では、構音障害と嚥下障害の関係について分かりやすく解説します。
構音障害とは?
構音障害とは、舌や唇、あご、のどなどを動かす機能が低下し、発音が不明瞭になる障害です。
例えば、
- ろれつが回らない
- 発音が聞き取りにくい
- 声が小さい
- 鼻声になる
といった症状がみられます。
言葉を理解する力ではなく、「発音する動き」に問題がある状態です。
嚥下障害とは?
嚥下障害とは、食べ物や飲み物を安全に飲み込むことが難しくなる状態です。
例えば、
- むせる
- 飲み込みに時間がかかる
- 食べ物が口の中に残る
- 食事で疲れる
といった症状が現れます。
重症になると誤嚥性肺炎につながることもあります。
なぜ一緒に起こるの?
その理由は、話すことと飲み込むことに使う器官が共通しているからです。
主に使われるのは、
- 舌
- 唇
- 頬
- 軟口蓋(のどの奥)
- 咽頭
- 喉頭
です。
これらは発音にも飲み込みにも必要な器官です。
そのため、病気によって機能が低下すると、
- 話しにくい
- 飲み込みにくい
という両方の症状が現れることがあります。
舌の働きを考えてみよう
舌は発音にも嚥下にも重要です。
話すとき
- 「た」
- 「だ」
- 「な」
- 「ら」
などの音を作る
食べるとき
- 食べ物をまとめる
- のどへ送る
舌の動きが悪くなると、
発音も飲み込みも難しくなります。
唇も共通している
唇は、
話すとき
- 「ぱ」
- 「ば」
- 「ま」
などの音を作る
食べるとき
- 食べ物を口の中に保つ
- 飲み物がこぼれないようにする
という役割があります。
そのため唇の動きが低下すると、
- 発音が不明瞭になる
- 食べこぼしが増える
ことがあります。
のどの働きも共通している
のどは、
話すとき
声を作る
飲み込むとき
食べ物を食道へ送るという役割があります。
そのため、のどの機能が低下すると、
- 声がかすれる
- むせやすい
といった症状がみられることがあります。
どんな病気で一緒に起こる?
脳卒中
最も多い原因の一つです。
パーキンソン病
話しにくさと飲み込みにくさが徐々に進行することがあります。
ALS
構音障害と嚥下障害がともにみられやすい病気です。
多系統萎縮症や脊髄小脳変性症
発音と飲み込みの両方に影響することがあります。
構音障害があれば嚥下障害もあるの?
必ずしもそうではありません。
構音障害があっても問題なく食事ができる方もいます。
逆に、嚥下障害があっても話し方は比較的保たれている方もいます。
ただし、構音障害がみられる場合は嚥下障害が隠れている可能性もあるため注意が必要です。
こんなサインがあれば相談を
次のような症状がある場合は、医師や言語聴覚士へ相談しましょう。
- 食事中によくむせる
- 水分でむせる
- 食事に時間がかかる
- 声がガラガラになる
- ろれつが回らなくなった
- 体重が減ってきた
早めの評価が大切です。
家族が知っておきたいこと
構音障害がある方に、
「話しにくいだけだから大丈夫」
と思ってしまうことがあります。
しかし、飲み込みにも影響が出ている場合があります。
特に脳卒中や神経疾患では、話し方の変化が嚥下障害のサインになっていることもあります。
日頃から食事や会話の様子を観察することが大切です。
まとめ
構音障害と嚥下障害は深い関係があります。
どちらも舌や唇、のどなど同じ器官を使うため、一緒に起こることが少なくありません。
特に脳卒中やパーキンソン病、ALSなどでは、話しにくさと飲み込みにくさが同時に現れることがあります。
構音障害がみられたときは、飲み込みにも問題がないか確認し、必要に応じて言語聴覚士による評価を受けることが大切です。

