高次脳機能障害の原因とは?
高次脳機能障害は、脳の損傷によって起こる障害です。
「なぜ以前のように考えられなくなったのだろう」
「なぜ忘れっぽくなったのだろう」
と不安に感じている方やご家族も多いかもしれません。
高次脳機能障害は、決して本人の努力不足や性格の問題ではありません。脳の働きが障害されたことで起こる症状です。
この記事では、高次脳機能障害の主な原因についてわかりやすく解説します。
高次脳機能障害は脳の損傷によって起こる
私たちの脳は、
- 記憶する
- 集中する
- 計画を立てる
- 判断する
- 感情をコントロールする
といった重要な役割を担っています。
しかし、何らかの原因で脳が損傷すると、これらの機能がうまく働かなくなることがあります。
その結果、
- 記憶障害
- 注意障害
- 遂行機能障害
- 社会的行動障害
などの高次脳機能障害が現れます。
最も多い原因は脳卒中
高次脳機能障害の原因として最も多いのが脳卒中です。
脳卒中とは、脳の血管に異常が起こる病気の総称です。
脳梗塞
脳の血管が詰まり、脳細胞に十分な血液が届かなくなる病気です。
脳梗塞の後遺症として、
- 記憶力の低下
- 集中力の低下
- 段取りの悪さ
などが現れることがあります。
脳出血
脳の血管が破れて出血する病気です。
出血した場所によって症状は異なりますが、高次脳機能障害が残ることも少なくありません。
くも膜下出血
脳の表面にある血管が破れて出血する病気です。
命に関わることもありますが、回復後に注意障害や記憶障害が残ることがあります。
頭部外傷による高次脳機能障害
若い世代では頭部外傷が原因となることも多くあります。
交通事故
自動車やバイク、自転車の事故によって脳が損傷することがあります。
外見上は回復しているように見えても、
- 忘れっぽい
- 怒りっぽい
- 集中できない
といった症状が残ることがあります。
転倒・転落事故
高齢者の転倒や、作業中の転落事故なども原因になります。
頭を強く打ったあとに高次脳機能障害が現れる場合があります。
低酸素脳症
脳は大量の酸素を必要とする臓器です。
心停止や重い呼吸障害などによって脳への酸素供給が不足すると、脳細胞が損傷することがあります。
これを低酸素脳症と呼びます。
低酸素脳症では、
- 記憶障害
- 注意障害
- 判断力の低下
がみられることがあります。
脳炎や脳腫瘍
脳の病気そのものが原因になることもあります。
脳炎
ウイルスなどによる炎症によって脳が損傷される病気です。
脳腫瘍
脳にできた腫瘍が脳組織を圧迫し、高次脳機能障害を引き起こすことがあります。
治療後にも症状が残る場合があります。
損傷した場所によって症状が変わる
高次脳機能障害は、脳のどこが損傷したかによって現れる症状が異なります。
例えば、
前頭葉
- 注意障害
- 遂行機能障害
- 感情コントロールの低下
側頭葉
- 記憶障害
- 言葉の理解の障害
頭頂葉
- 半側空間無視
- 失行
後頭葉
- 視覚認知の障害
などがみられることがあります。
家族が気づくきっかけ
高次脳機能障害は見た目では分かりにくいため、ご家族が先に気づくことも少なくありません。
例えば、
- 同じ話を何度もする
- 約束を忘れる
- ミスが増えた
- 怒りっぽくなった
- 段取りが悪くなった
などの変化がみられる場合があります。
「退院したからもう大丈夫」と思っていても、生活の中で症状が目立ってくることがあります。
まとめ
高次脳機能障害は、脳の損傷によって起こる障害です。
主な原因として、
- 脳卒中
- 頭部外傷
- 低酸素脳症
- 脳炎
- 脳腫瘍
などがあります。
また、脳の損傷部位によって症状は大きく異なります。
高次脳機能障害は見た目では分かりにくい障害ですが、本人の性格や努力不足が原因ではありません。
原因を正しく理解することが、適切な支援やリハビリにつながる第一歩です。

