職場で配慮してもらいたいこと
「仕事中に会話が聞き取れず、不安になります。」
「職場へ聞こえにくさを伝えた方がよいのでしょうか?」
聴覚障害のある方の中には、仕事を続ける中でこのような悩みを抱える方が少なくありません。
会議や電話、同僚との会話など、職場では「聞くこと」が求められる場面が多くあります。
しかし、周囲の理解や環境の工夫によって、働きやすさは大きく変わります。
この記事では、職場で配慮してもらいたいことについて、言語聴覚士がわかりやすく解説します。
職場で困りやすい場面
職場では、次のような場面で困ることがあります。
- 会議で発言が聞き取れない
- 電話対応が難しい
- 周囲が騒がしく会話が聞こえない
- 後ろから話しかけられて気付かない
- 朝礼や館内放送が聞き取りにくい
聞こえにくさは外見から分かりにくいため、周囲に気付いてもらえないことも少なくありません。
聞こえにくさを伝えることも大切
「迷惑をかけたくない」「特別扱いされたくない」という理由から、聞こえにくさを職場へ伝えていない方もいます。
しかし、周囲が状況を知らなければ、必要な配慮を行うことができません。
すべてを詳しく説明する必要はありませんが、「聞こえにくいことがあるので、少しゆっくり話していただけると助かります。」
など、必要なことを伝えるだけでも働きやすくなることがあります。
話しかけ方を工夫してもらう
同僚や上司には、次のような工夫をお願いするとよいでしょう。
- 顔を見て話す
- 名前を呼んでから話し始める
- 少しゆっくり話す
- 一度にたくさんの内容を伝えない
これらは特別な支援ではなく、誰にとっても分かりやすいコミュニケーション方法です。
会議では資料や字幕を活用する
会議は、複数の人が発言するため、特に聞き取りが難しい場面です。
そのため、
- 資料を事前に配布する
- 発言者が一人ずつ話す
- オンライン会議では字幕機能を使う
- 重要な内容はチャットや議事録に残す
などの工夫が役立ちます。
電話対応について相談する
電話が難しい場合は、業務内容を工夫できることがあります。
例えば、
- メールやチャットで対応する
- 他の担当者と役割を分担する
- Bluetooth対応の補聴器や人工内耳を活用する
など、職場の状況に合わせて調整できる場合があります。
一人で抱え込まず、相談してみることが大切です。
静かな環境を整える
周囲の雑音は、聞き取りを難しくします。
可能であれば、
- 比較的静かな席へ変更する
- パーテーションを利用する
- 打ち合わせは静かな部屋で行う
など、環境を整えることも効果的です。
補聴器や人工内耳を活用する
補聴器や人工内耳を使用している方は、毎日の点検や適切な調整が大切です。
また、職場でBluetooth接続や補聴援助システムを利用できる場合は、聞き取りやすさが向上することがあります。
困ったことがあれば、耳鼻咽喉科や補聴器販売店へ相談しましょう。
利用できる制度もある
状況によっては、障害者雇用制度や職場での合理的配慮を受けられる場合があります。
例えば、
- 業務内容の調整
- コミュニケーション方法の工夫
- 必要な機器の導入
などが検討されることもあります。
利用できる制度は状況によって異なるため、勤務先や支援機関へ相談してみるとよいでしょう。
一人で抱え込まない
聞こえにくさがあると、「迷惑をかけてしまう」と感じてしまう方もいます。
しかし、無理をして一人で頑張り続けると、仕事への不安やストレスが大きくなることがあります。
困ったことがあれば、上司や同僚、産業医、人事担当者などへ相談することも大切です。
言語聴覚士に相談しよう
仕事中の聞き取りに困っている場合は、言語聴覚士(ST)へ相談することもおすすめです。
聞こえの状態や仕事内容に合わせて、
- 職場でのコミュニケーション方法
- 補聴器や人工内耳の活用方法
- 日常生活で取り入れられる工夫
などについて、具体的なアドバイスを受けることができます。
まとめ
職場では、会議や電話、周囲の雑音などにより、聞き取りにくさを感じる場面が少なくありません。
しかし、聞こえにくさを周囲へ伝えることや、話し方や環境を工夫してもらうこと、資料や字幕を活用することなどによって、働きやすさを向上させることができます。
一人で悩まず、職場や言語聴覚士と相談しながら、自分に合った環境づくりを進めていきましょう。

