吃音は歌うと出にくくなるって本当?

歌うと吃音が出にくくなる人がいます

「普段はどもるのに、歌になるとスムーズに歌える。」

このような話を聞いたことはありませんか?

実際に、吃音のある人の中には、歌っているときには吃音がほとんど出なくなる人がいます。

これは昔から知られている吃音の特徴の一つであり、多くの研究でも報告されています。

ただし、すべての人に当てはまるわけではなく、歌っていても吃音がみられる人もいます。


なぜ歌では話しやすくなるの?

はっきりとした仕組みはまだ解明されていませんが、いくつかの理由が考えられています。

リズムがある

歌には一定のリズムがあります。

リズムに合わせて声を出すことで、話すタイミングが取りやすくなり、言葉がスムーズにつながりやすくなると考えられています。


メロディーがある

歌では音の高さや長さが決まっています。

普段の会話とは異なる脳の働きが使われるため、話すときとは違った神経のネットワークが働いている可能性があると考えられています。


呼吸が安定しやすい

歌では、

  • 息を吸う場所
  • 声を出す長さ

がある程度決まっています。

そのため、会話よりも呼吸をコントロールしやすくなり、話しやすさにつながる場合があります。


独り言でも出にくいことがある

歌だけではなく、

  • 独り言
  • 音読
  • 一緒に読む(斉読)

などでも吃音が少なくなる人がいます。

これは、普段の会話よりも話すリズムやタイミングが決まりやすいためと考えられています。


歌えるからといって「治った」わけではない

歌ではスムーズに話せる人も、会話になると、

  • 電話
  • 発表
  • 自己紹介

などでは吃音が出ることがあります。

そのため、「歌えるなら普通に話せるはず」と考えるのは誤解です。

歌うことと日常会話では、脳の使い方やコミュニケーションの状況が異なります。


歌が治療になるの?

「歌えば吃音が治るのでしょうか?」と質問されることがあります。

現時点では、歌うことだけで吃音が治るという科学的根拠はありません。

ただし、

  • 話すことへの自信につながる
  • 声を出すことを楽しめる
  • 成功体験になる

といった良い影響が期待できることがあります。

そのため、音楽活動や歌を楽しむことは、生活の質を高める一つの方法になることがあります。


一人ひとり違うことが大切

吃音の現れ方は人によって異なります。

例えば、

  • 歌では全く吃音が出ない人
  • 少しだけ改善する人
  • 歌でも吃音が出る人

などさまざまです。

そのため、「歌えば必ず改善する」とは言えません。

一人ひとりの特徴を理解することが大切です。


周囲が知っておきたいこと

歌では話しやすいことを知ると、「普段もそのように話せばいいのに」と思う人もいます。

しかし、それは本人の努力だけでできることではありません。

歌と会話は脳の働き方や話す状況が異なるため、同じように話すことは簡単ではありません。

歌で話しやすいからといって、普段の吃音を軽く考えないことが大切です。


まとめ

吃音のある人の中には、歌うと症状が出にくくなる人がいます。

これはリズムやメロディー、呼吸のコントロールなどが関係していると考えられています。

ただし、歌えるからといって日常会話でも同じように話せるわけではありません。

また、歌うことだけで吃音が治るというわけでもありません。

一人ひとり症状の現れ方が異なることを理解し、安心して話せる環境を整えることが大切です。

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