吃音で体が動いてしまうのはなぜ?(随伴症状)
話すときに体が動いてしまうことがあります
吃音のある人の中には、話そうとすると、
- 目を強く閉じる
- 顔をしかめる
- 首を振る
- 足を踏み鳴らす
- 手を動かす
などの動きがみられることがあります。
このような話すことに伴って現れる体の動きを随伴症状(ずいはんしょうじょう)といいます。
本人が「わざと」動かしているわけではなく、多くは無意識のうちに現れます。
随伴症状とは?
随伴症状とは、吃音の中核症状である
- 繰り返し
- 引き伸ばし
- 詰まり
に伴って現れる体の動きや反応のことです。
例えば、
- 目を何度もまばたきする
- 強く目を閉じる
- 顔をしかめる
- 首を前後に動かす
- 手や足に力が入る
- 指を動かす
- 足を踏み鳴らす
など、現れ方は人によってさまざまです。
なぜ体が動いてしまうの?
随伴症状が現れる理由は完全には解明されていません。
しかし、現在では、言葉が出にくい状態を何とか乗り越えようとする中で、無意識に身についた反応と考えられています。
例えば、「首を動かしたら言葉が出た」
という経験が何度かあると、その動きが習慣のようになり、話すたびに現れることがあります。
本人は意識していないことも多く、「気づいたら動いていた」という場合も少なくありません。
力を入れても言葉が出るわけではない
話そうとして詰まると、
- 首に力を入れる
- 顔をしかめる
- 手を握りしめる
などの動きが出ることがあります。
しかし、これらの動きによって話しやすくなるとは限りません。
むしろ体全体に余計な力が入り、さらに話しにくくなることもあります。
それでも無意識に繰り返してしまうのが、随伴症状の特徴です。
随伴症状は成長とともに増えることがある
幼児期の吃音では、随伴症状はほとんどみられないこともあります。
しかし、
- 吃音が長く続く
- 話すことへの不安が強くなる
- 「何とか話そう」と努力する経験が増える
と、学童期や成人期に随伴症状が現れることがあります。
もちろん、すべての人に現れるわけではありません。
「やめなさい」と言われても止められない
周囲から見ると、
「目を閉じなければいいのに」
「首を動かさなければ話せるのでは」
と思われることがあります。
しかし、随伴症状は無意識に起こることが多く、本人の意思だけで簡単に止められるものではありません。
そのため、
「動かさないで」
「変な癖をやめなさい」
と注意されると、かえって話すことへの意識が強まり、症状が悪化することもあります。
話し方だけでなく気持ちにも目を向ける
随伴症状がある人は、「また動いてしまうかもしれない」という不安を抱えていることがあります。
その結果、
- 発表を避ける
- 人前で話さなくなる
- 電話を避ける
など、生活への影響が大きくなることもあります。
そのため、支援では随伴症状だけをなくすことを目標にするのではなく、本人が安心して話せるようになることを大切にします。
周囲ができること
随伴症状があっても、
- 動きを指摘しない
- 急かさない
- 最後まで話を聞く
- 話し方ではなく内容に耳を傾ける
ことが大切です。
本人が安心して話せる環境が整うことで、結果として随伴症状が軽くなることもあります。
まとめ
随伴症状とは、吃音に伴って現れる体の動きのことです。目を閉じたり、首を動かしたり、手足に力が入ったりすることがありますが、これらは本人がわざと行っているわけではありません。
「何とか話そう」という努力の中で無意識に身につくことが多く、注意して止められるものではありません。
話し方や体の動きだけを見るのではなく、本人の気持ちや安心して話せる環境を大切にすることが重要です。

