吃音の重症度はどのように違う?
吃音の重症度には大きな個人差があります
吃音は、「軽い」「重い」と一言では表せません。
同じように吃音がある人でも、
- 少し言葉が繰り返されるだけの人
- 話し始めるまでに長く詰まる人
- 日常生活にほとんど困っていない人
- 話すこと自体が大きな負担になっている人
など、一人ひとり症状や困りごとは異なります。
そのため、吃音の重症度は話し方だけではなく、生活への影響も含めて考えることが大切です。
軽症・中等症・重症とは?
吃音の重症度は、一般的に次のようなイメージで考えられます。
軽症
軽症では、
- ときどき音を繰り返す
- 少し詰まることがある
- 会話はほとんど問題なく行える
といった状態です。
本人もあまり気にしていない場合があります。
中等症
中等症になると、
- 繰り返しや詰まりが目立つ
- 電話や発表が苦手になる
- 話す前に緊張しやすい
など、日常生活への影響が少しずつ現れてきます。
重症
重症では、
- 強い詰まりが頻繁に起こる
- 話すことを避けるようになる
- 学校や仕事に大きな影響がある
- 会話そのものが大きな負担になる
など、生活への影響が大きくなることがあります。
話し方だけでは重症度は決まらない
一見すると症状が軽そうでも、
- 電話ができない
- 発表を避ける
- 話すことが怖い
という人もいます。
反対に、吃音が目立っていても、
- あまり困っていない
- 積極的に会話できる
という人もいます。
つまり、吃音の重症度は話し方だけでは判断できません。
本人の困りごとが最も重要
言語聴覚士が評価するときには、単に「どれくらいどもるか」だけではなく、
- 本人は困っているか
- 学校生活に影響しているか
- 仕事に支障があるか
- 人間関係に影響しているか
なども確認します。
例えば、少ししか吃音が出なくても、
「自己紹介が怖くて学校へ行きたくない」のであれば、その人にとっては大きな問題です。
反対に、吃音が比較的目立っていても、「全く気にしていません」という人もいます。
重症度は変化することがある
吃音の重症度は一定ではありません。
例えば、
- 疲れている日
- 緊張している日
- 睡眠不足の日
- 体調が悪い日
には症状が強くなることがあります。一方で、
- 家族との会話
- リラックスしているとき
- 趣味の話をしているとき
には、ほとんど吃音が出ないこともあります。
そのため、一回だけの会話で重症度を判断することはできません。
随伴症状や回避行動も評価する
重症度を考えるときには、話し方だけでなく、
随伴症状
- 目を閉じる
- 首に力が入る
- 顔をしかめる
回避行動
- 電話を避ける
- 注文を他の人に頼む
- 話す場面を避ける
なども重要な評価の対象になります。
これらが増えている場合は、生活への影響が大きくなっている可能性があります。
言語聴覚士は総合的に評価する
言語聴覚士は、
- 吃音の頻度
- 症状の種類
- 話す場面
- 本人の気持ち
- 日常生活への影響
などを総合的に評価し、一人ひとりに合った支援方法を考えます。
そのため、「少しどもるから軽症」「たくさんどもるから重症」と単純には判断しません。
まとめ
吃音の重症度には大きな個人差があります。話し方だけではなく、本人がどれだけ困っているか、学校や仕事、日常生活にどの程度影響しているかを含めて評価することが大切です。
また、重症度は日によって変化することもあります。吃音のある人を理解するためには、話し方だけで判断せず、その人自身の困りごとや気持ちにも目を向けることが重要です。

