呼吸と発声を整える練習
「息が続かず最後まで話せない」
「声が小さくて聞き返される」
「呼吸の練習で話しやすくなるのでしょうか?」
構音障害では、舌や唇だけでなく、呼吸や発声にも問題がみられることがあります。
話すためには、肺から送られた息で声帯を振動させ、その声を舌や唇が言葉へ変えています。
つまり、呼吸と発声は、話すための土台となる大切な働きです。
この記事では、構音障害で行われる呼吸と発声の練習について、その目的や効果を分かりやすく解説します。
なぜ呼吸と発声が大切なの?
私たちは話す前に息を吸い、話している間は少しずつ息を吐きながら声を出しています。
この流れがスムーズであれば、
- 声が安定する
- 長い文章も話しやすい
- 発音が聞き取りやすくなる
といった効果があります。
一方、呼吸や発声がうまくできないと、発音が正しくても、相手には聞き取りにくい話し方になってしまうことがあります。
呼吸が弱いと起こること
呼吸する力が弱くなると、肺から十分な息を送り出せなくなります。
すると、
- 声が小さくなる
- 途中で息継ぎが増える
- 最後まで話せない
- 声に力がなくなる
といった症状が現れることがあります。
ALSなどの神経や筋肉の病気では、呼吸の筋肉が弱くなることもあり、このような症状が目立つことがあります。
発声が不安定になることもある
声は、のどにある声帯が振動することで作られます。
そのため、声帯の動きが弱かったり、呼吸とのタイミングが合わなかったりすると、
- 声がかすれる
- 声が途切れる
- 声量が安定しない
ことがあります。
発声の状態が改善すると、発音もより聞き取りやすくなることがあります。
呼吸と発声の練習では何をするの?
言語聴覚士は、その方の症状に合わせて練習内容を選びます。
例えば、
- ゆっくり息を吐く練習
- 息を一定の強さで吐く練習
- 声を無理なく出す練習
- 呼吸と発声のタイミングを合わせる練習
などです。
これらは「大きな声を出す」ことが目的ではなく、安定した声を出せるようにするための練習です。
発音練習と組み合わせることが大切
呼吸や発声だけを練習しても、日常会話で話しやすくなるとは限りません。
そのため、呼吸や発声の練習を行った後に、
- 発音練習
- 音読
- 会話練習
などを組み合わせることが一般的です。
「話す」という実際の動きにつなげることで、練習の効果を生活の中で生かしやすくなります。
病気によって練習方法は異なる
構音障害の原因によって、呼吸や発声への影響は異なります。
例えば、
- パーキンソン病では声が小さくなりやすい
- ALSでは呼吸の筋力が低下することがある
- 脳卒中では呼吸と発声のタイミングが乱れることがある
など、それぞれ特徴があります。
そのため、すべての方に同じ練習を行うわけではありません。
自宅で続けることも大切
病院でのリハビリだけでなく、自宅でも無理のない範囲で続けることが大切です。
例えば、
- 姿勢を整えて話す
- 息を止めずにゆっくり話す
- 声を出しながら音読をする
など、日常生活の中でも取り組めることがあります。
ただし、疲れを感じるほど繰り返す必要はありません。
言語聴覚士から指導された方法を継続することが大切です。
家族ができるサポート
ご家族は、「もっと大きな声で話して」と繰り返し伝えたくなることがあるかもしれません。
しかし、呼吸や発声の問題がある場合、ご本人が頑張っても十分な声を出せないことがあります。
静かな環境で会話をしたり、最後まで落ち着いて話を聞いたりすることが、ご本人の話しやすさにつながります。
まとめ
呼吸と発声は、話すための土台となる大切な働きです。
構音障害では、呼吸や声の問題が加わることで、発音がさらに聞き取りにくくなることがあります。
呼吸と発声を整える練習は、安定した声を出しやすくし、発音練習や会話練習の効果を高めることにもつながります。
病気や症状によって適した方法は異なるため、言語聴覚士と相談しながら、その方に合ったリハビリを続けていくことが大切です。

