オージオグラムの見方をわかりやすく解説
「オージオグラムを見せられたけれど、何が書いてあるのか分からない。」
「高い音が聞こえにくいと言われたけれど、どこを見ればいいの?」
耳鼻咽喉科で聴力検査を受けると、多くの場合「オージオグラム」というグラフを使って結果が説明されます。
一見すると難しそうに見えますが、ポイントを押さえれば、自分の聞こえの特徴を知ることができます。
この記事では、オージオグラムの見方を言語聴覚士がわかりやすく解説します。
オージオグラムとは?
オージオグラムとは、聴力検査(純音聴力検査)の結果をグラフにしたものです。
このグラフを見ることで、
- どのくらい聞こえているか
- 高い音と低い音のどちらが聞こえにくいか
- 難聴の程度
などを知ることができます。
耳鼻咽喉科で難聴の診断をするときに欠かせない検査結果です。
横軸は「音の高さ」
オージオグラムの横軸には、音の高さ(周波数:Hz)が並んでいます。
左側ほど低い音、右側ほど高い音になります。
例えば、
- 125Hz:太鼓やエンジン音のような低い音
- 500~2,000Hz:人の会話でよく使われる音
- 4,000~8,000Hz:鳥のさえずりや電子音など高い音
を表しています。
人の会話を聞き取るためには、500~4,000Hzあたりが特に重要です。
縦軸は「聞こえる音の大きさ」
縦軸は、どのくらい大きな音なら聞こえるか(聴力レベル:dBHL)を表しています。
上にあるほど小さな音まで聞こえ、下に行くほど大きな音でないと聞こえません。
つまり、
- グラフの上の方にある → 聴力が良い
- グラフの下の方にある → 聴力が低下している
ということになります。
健康な耳では、小さな音でも聞き取れるため、測定結果は上の方に表示されます。
○と×は何を表している?
オージオグラムでは、
- ○:右耳
- ×:左耳
で表されることが一般的です。
左右の耳を別々に測定することで、
- 両耳とも難聴なのか
- 片耳だけ難聴なのか
を確認できます。
病院によっては色分けされていることもあり、一般的には右耳が赤、左耳が青で表示されます。
難聴の程度はどのように分かる?
オージオグラムでは、聞こえの程度も判断できます。
一般的な目安は次のとおりです。
- 25dBHL以下:正常
- 26~40dBHL:軽度難聴
- 41~70dBHL:中等度難聴
- 71~90dBHL:高度難聴
- 91dBHL以上:重度難聴
ただし、これはあくまで目安です。
実際には、聞こえ方や生活での困りごとも合わせて評価します。
グラフの形にも意味がある
オージオグラムでは、点の高さだけでなく、グラフの形も重要です。
例えば、
高い音だけ聞こえにくいタイプ
右側だけグラフが下がっている場合は、加齢性難聴や騒音性難聴でよくみられるパターンです。
子どもや女性の声が聞き取りにくくなることがあります。
全体的に聞こえにくいタイプ
グラフ全体が下がっている場合は、さまざまな高さの音が聞こえにくくなっています。
低い音だけ聞こえにくいタイプ
左側だけ下がっている場合は、メニエール病などでみられることがあります。
このように、グラフの形から難聴の原因を推測できることがあります。
オージオグラムだけでは分からないこともある
オージオグラムはとても重要な検査ですが、「言葉をどれくらい聞き取れるか」までは分かりません。
例えば、「音は聞こえるけれど、何と言っているか分からない」という場合には、語音聴力検査を行います。
また、
- ティンパノメトリー
- 耳音響放射検査(OAE)
- 聴性脳幹反応検査(ABR)
などを組み合わせて診断することもあります。
オージオグラムは補聴器の調整にも役立つ
補聴器を作るときも、オージオグラムは重要な資料になります。
例えば、
- 高い音だけ聞こえにくい方
- 全体的に聞こえにくい方
では、補聴器の調整方法が異なります。
一人ひとりの聞こえ方に合わせて調整することで、会話が聞き取りやすくなります。
まとめ
オージオグラムは、聴力検査の結果を表したグラフです。
見るときのポイントは、
- 横軸は「音の高さ」
- 縦軸は「聞こえる音の大きさ」
- ○は右耳、×は左耳
- 点が下にあるほど聞こえにくい
- グラフの形から難聴の特徴が分かる
ということです。
オージオグラムを理解すると、自分の聞こえの状態や医師からの説明が分かりやすくなります。
分からないことがあれば、遠慮せず耳鼻咽喉科医や言語聴覚士に相談しましょう。

