高次脳機能障害でメモやカレンダーを上手に使う方法
高次脳機能障害では、
- 約束を忘れてしまう
- やることを思い出せない
- 家族から言われたことを忘れてしまう
- 通院日や薬を飲む時間を忘れる
といった困りごとがよくみられます。
「もっと頑張って覚えよう」と思っても、記憶障害がある場合は努力だけで改善するものではありません。
そこで役立つのが、メモやカレンダーです。
これらは、高次脳機能障害のリハビリでよく用いられる「代償手段」の一つです。
この記事では、メモやカレンダーを上手に活用する方法をご紹介します。
「覚える」より「確認する」
メモやカレンダーを使う目的は、すべてを覚えることではありません。
大切なのは、「必要なときに確認できること」です。
例えば、
- 買い物リストを書く
- 通院日を記録する
- 今日やることをまとめる
など、「覚えておく」代わりに「見れば分かる」状態を作ります。
「忘れないように頑張る」のではなく、「忘れても困らない工夫をする」という考え方が大切です。
メモは一か所にまとめる
紙切れや付箋にバラバラに書いてしまうと、どこに書いたのか分からなくなることがあります。
そのため、
- ノートを一冊決める
- メモ帳を一つにする
- スマートフォンのメモ機能を使う
など、記録する場所を決めておきましょう。
「何かあればここを見る」という習慣が大切です。
すぐに書く習慣をつける
「あとで書こう」と思っていると、そのこと自体を忘れてしまうことがあります。
家族から予定を伝えられたときや、病院で説明を受けたときは、できるだけその場でメモを取りましょう。
短い言葉でも構いません。
「すぐ書く」ことが、忘れないための第一歩です。
カレンダーは見やすい場所に置く
カレンダーを書いても、見なければ意味がありません。
例えば、
- リビング
- 食卓の近く
- 冷蔵庫
- 玄関
など、毎日目にする場所に置くことをおすすめします。
また、「朝食後にカレンダーを見る」「寝る前に翌日の予定を確認する」
など、決まったタイミングで確認する習慣を作ると、予定を忘れにくくなります。
予定は具体的に書く
「病院」だけではなく、「○月○日 10時 ○○病院(内科)」
というように、できるだけ具体的に書きましょう。
また、
- 持ち物
- 待ち合わせ場所
- 出発時間
なども一緒に書いておくと安心です。
色分けをすると分かりやすい
予定が増えてくると、見づらくなることがあります。
そのような場合は、
- 通院は青
- 家族の予定は緑
- 大切な予定は赤
など、色分けすると一目で分かりやすくなります。
色のルールはシンプルにすることが続けるコツです。
チェックリストを活用する
やることが複数ある場合は、チェックリストがおすすめです。
例えば、
外出前
□ 財布
□ 鍵
□ スマートフォン
□ 診察券
□ お薬手帳
というように書き、終わったらチェックを付けます。
「覚える」よりも「確認する」方が、忘れ物を減らしやすくなります。
スマートフォンと組み合わせる
紙のカレンダーだけでなく、スマートフォンのカレンダーやリマインダーを組み合わせるのも効果的です。
例えば、通院日の前日に通知が届くよう設定すれば、予定を忘れにくくなります。
紙とデジタルを組み合わせることで、より安心して生活できる方もいます。
家族がサポートするときのポイント
ご家族は、「ちゃんと覚えていてね」と声をかけたくなることがあります。
しかし、「メモを見てみようか」「カレンダーを確認してみよう」と促す方が、ご本人が自分で確認する習慣につながります。
また、メモを書くこと自体を代わりに行うのではなく、ご本人が書ける部分はできるだけ任せることも大切です。
続けることが一番大切
最初は、メモを書くことやカレンダーを見ることを忘れてしまうこともあります。
その場合は、ご家族が優しく声をかけながら習慣づけを手伝いましょう。
毎日続けることで、「予定があれば確認する」という行動が自然に身についていきます。
まとめ
高次脳機能障害では、メモやカレンダーは生活を支える大切な道具になります。
大切なのは、「覚えること」ではなく、「必要なときに確認できる仕組み」を作ることです。
メモを一か所にまとめる、すぐに書く、毎日カレンダーを見るなど、小さな習慣を積み重ねることで、生活のしやすさは大きく変わります。
ご本人が使いやすい方法を見つけ、ご家族や専門職と相談しながら無理なく続けていきましょう。

