【保存版】失語症とは?家族が最初に知っておくべきことを言語聴覚士がやさしく解説
「突然、言葉がうまく出なくなった」
「こちらの言っていることが、伝わっていない気がする」
脳卒中などをきっかけに、このような変化が現れたとき、
多くの場合に関係しているのが 失語症(しつごしょう) です。
この記事では、失語症とは何か・なぜ起こるのか・家族はどう関わればよいのか について、言語聴覚士の視点から、できるだけ分かりやすくお伝えします。
失語症とは?【知的な低下ではありません】
失語症とは、脳の言葉をつかさどる部分が損傷されることで起こる「言葉の障害」 です。
- 話す
- 聞いて理解する
- 読む
- 書く
といった 「言語に関わるすべての力」 に影響が出る可能性があります。
とても大切な点として、失語症は「頭が悪くなった」「認知症になった」ということではありません。
多くの方は、
「考える力」「感情」「性格」は、これまで通り保たれています。
“分かっているのに、言えない・伝えられない”
これが、失語症のいちばんつらい部分です。
失語症の主な原因
失語症の多くは、次のような病気のあとに起こります。
- 脳梗塞
- 脳出血
- くも膜下出血
- 頭部外傷
- 脳腫瘍 など
特に 脳卒中(脳梗塞・脳出血)後が圧倒的に多い のが特徴です。
失語症の主なタイプ(代表的なもの)
失語症にはいくつかのタイプがあります。代表的なものを簡単にご紹介します。
■ ブローカ失語(運動性失語)
- 言葉が なかなか出てこない
- 一語一語しぼり出すように話す
- 理解は比較的保たれることが多い
👉 「分かっているのに言えない」もどかしさが強いタイプです。
■ ウェルニッケ失語(感覚性失語)
- 流暢に話すが、内容がかみ合わない
- 人の話の理解が難しい
- 本人はあまり困っていないように見えることも
👉 周囲との「すれ違い」が起こりやすいタイプです。
※実際には、この中間のタイプも多くあります。
家族が最初に知っておいてほしい大切なこと
失語症の方と接するとき、
多くのご家族が、最初にこう感じます。
- 「何度も聞き返してしまう…」
- 「つい先に答えを言ってしまう」
- 「どう声をかけたらいいか分からない」
これは すべて自然なこと です。
最初からうまく関われる家族はいません。
ただ、1つだけ大切なポイントがあります。
👉 「正しく言わせる」より、「伝わった経験」を大切にすること
これが、回復にとっても、気持ちの安定にとっても、とても重要です。
失語症のリハビリと回復について
失語症の回復には、
- 時間
- 繰り返し
- 安心できる環境
が欠かせません。
特に大切なのが、
「病院のリハビリが終わったあと、家庭でどう関わるか」 です。
退院後に、
- 急に話す機会が減る
- 間違うのが怖くなって黙ってしまう
という方も少なくありません。
だからこそ、
ご家庭での“無理のない関わり”がとても大切 になります。
ご家庭でできることは「特別なこと」ではありません
家庭でできるリハビリは、
特別な訓練でなくても大丈夫です。
- あいさつを交わす
- 一緒にテレビを見る
- 買い物で指さしてもらう
- 簡単な会話を続ける
こうした 日常の中のやり取りそのものが、リハビリになります。
まとめ|失語症は「言葉の障害」であって「その人が変わった」わけではありません
- 失語症は、脳の損傷による 言葉の障害
- 考える力や感情は保たれていることが多い
- 家族の関わり方が、回復と気持ちの安定に大きく影響する
- 正しく言わせるより、「伝わった体験」を大切に

